パン職人と言うと、パンを作るプロの人を指す。
「パン」って言うと、皆さんは何を連想されるだろうか・・・
日本では、「パン」と言うと、食パン、惣菜パン、菓子パン、フランスパン。
大きく分けるとこういう感じになるだろう。
日本では、大きく分けてこの4ツのカテゴリーの「パン」を製造する人を”パン職人”と呼んでいる。
フランスではどうだろう・・・。
フランスでは、「パン」と言うと、バゲット、パン・スペシオ、大きく分けてこの2ツのカテゴリーになる。
バゲットはお解かりであろう。
パン・スペシオとは、スペシャルという事で、カンパーニュや、コンプレ(全粒粉)、セーグル(ライ麦)等のバゲット以外のパンを指す。
皆様にお馴染みのクロワッサン、パン・オ・ショコラは、ビエノワズリーと言って、いわゆる「菓子パン」の部類に入る。
日本と異なるのは、パン職人は、上記の「パン」を主に作る人を指す。
クロワッサン、パン・オ・ショコラ等のビエノワズリーは、お菓子の職人さんと、パン職人さんの中間に当たる、折り込み生地を専門に作る職人さんが製作する。
私はパン職人・・・なので、専門はバゲットやパン・スペシオ等の、一般的に言う、食事パンを製作するのが専門である。
また、ブリオッシュやクグロフ等、日本では「パン」のジャンルに含まれるパンも、フランスの場合、お店によってお菓子職人さんが作っているところもある。
お菓子職人さんも、焼き菓子が専門の方と、折り込み生地が専門の方、また、アントルメという生菓子が専門の方に分かれていて、もちろん、どこもこなせるのではあるが、それぞれ専門を持ってる方が多い。
ブリオッシュやクロワッサンをパン職人が作らないなんて、どうしてだろう・・・
(もちろん、同じ職人さんが兼任しているお店もあるが・・・)
それには、とっても解りやすい理由がある。
フランスではパンの製作量がとてつもなく多いので、当然、工場も分かれている。
パン工場、お菓子工場、折り込み生地工場。
ここで問題になってくるのが、材料である。
フランスでのパン工場には、まず、卵や牛乳、バターは無い。
お菓子工場にある。
そうそう・・・お菓子工場に卵やバター、牛乳があるから、ブリオッシュやクロワッサンはお菓子に近いところで製作した方が、効率が良いのだ。
しかし、時折、パン工場でもブリオッシュを仕込んだりする。
はて、さて・・・どうしたものか。
毎回、毎回、お菓子工場へ、卵やバター、牛乳をもらいに行くのである。
「タマゴくださ~い」