La Baguette magique de la gourmandise     **食いしん坊の魔法の杖**

boulangere.exblog.jp
ブログトップ

「フランスの田舎から Part 1」

f0053008_1045140.jpgf0053008_10393279.jpg






Vol,2 乳牛農家で・・・

夫が魚釣りに行っている間に夫の父(日本で言う姑)と一緒に父の友人のフレデリッ
クのところへ立ち寄った。

フレデリックはお父さんから引き継いだ牧場を営む乳牛農家である。

私は牛は見た事があるが、こんなにも沢山の、しかも自然に放牧されている牛を見た
のは初めて。
牛達は最初見慣れぬ私に警戒心をいだき、みんな遠くから眺めていた。

私は義父に
「牛達はきっと日本人を見るのは初めてで緊張してるのよね」
と言うと、
「そうに違い無い」と義父。

フランスのこんな小さな村に日本人が来る事等、皆無に近いであろう。
はてさて、牛達に見分けがつくか、どうかであるが。。。

乳牛に興味津々の私にフレデリックは、

「直に牛達は君に慣れるからね、彼等は優しいから」

と言ってくれ、その言葉の通り、5分もしないうちに彼等は私になつき始めた。
嬉しい様な、複雑な気持ち。

何故ならば、何十頭もいる牛達が、同時に私に慣れて興味を持ち始めたものだから、
全員が全員、こちらへやってくる。
全員が全員、私を嘗め始めた。
でもとっても可愛い。
でもジャンバーはだ液でベトベトである。

その次に乳牛の餌になる山に積まれたとうもろこしを見に行った。
とうもろこしは彼等の大好物なのだそう。

一頭の牛は約9ヶ月間お乳を出すそうである。
一日に約30~40リットルものお乳を出すのだそうだ。
9ヶ月後に2ヶ月間のお休みに入り、又その後妊娠をして、再びお乳を出すのだと言
う。
良く見ると、乳牛は皆、妊娠中の様であった。

命がけでお乳を製造している。
わが子に与えるべきお乳を我ら人間が横取りしている訳である。

牛乳を飲む時にこの牛達に感謝しなくては・・・と思った。
妊娠しなければ、お乳は出ない。
こんな当たり前の事なのに、今まで考えもしなかった。
恥ずかしい限りである。


さて、驚いたのは餌になるとうもろこし。
茎ごと粉砕されていて室になっている。
近付くと発酵臭がする。
この鼻に付く発酵臭を嗅いだ途端、私の頭が冴えた!!!

乳酸発酵してる!!!

まさに、天然酵母である!!!

ここに自然に発酵し、エネルギーを放出しているとうもろこしがある。
これを絞って小麦粉に練り込み、一日置けばとうもろこしの自然種の種生地が出来る。
すでにとうもろこしは円やかな酸臭を放っている。
これを種に作ったパンもさぞ、美味しい事であろう。

かすかに乳牛を思わせる、とうもろこし種のパン・・・

そこまで考えて、なんて私はパンバカなんだって、乳牛を振り返り申し訳ない気持ち
になった。
彼等は命がけだった。


でも、これで一度だけでイイからパン作りたいワ。

フレデリックの名言が木霊する・・・


『我仕事を愛する事はとっても重要で幸せな事だよ』

自然と、人と、学ぶ事は尽きない。

全てに感謝。
f0053008_1040130.jpg

[PR]
by yboulangere | 2006-03-17 10:38 | フランス